本年5月8日から15日にかけて沖縄県、石垣島に行く機会がありその際にハナビラダカラを採集する事が出来た。採集場所はタイドプールの中の転籍の下、干潮時には全く海面から出てしまうような岩礁の穴の中であった。棲息域は可成り限られており、その中に高密度に棲息していたのが印象的であった。
方法
結果及び考察
大きな個体と小さな個体。大きな個体では側面が張り出し、菱形になるものが多い。 |
色変わり 飴色がかった個体(左)から白磁のような透明感を持つ個体(右)までバリエーションが見られる。 |
横断面(Cross section) これも老成が進んだ個体であるが、横断面を見ると側縁・背面に成貝層が厚く沈着していることが分かる。 |
縦断面(Sadital section) 老成化した個体では、ハナマルユキなどと同じように、前後端に成貝層の沈着が見られる。この層の多少が産地別のサイズ比較に影響を与える。 |
殻の成長 |
測定した結果
(Location) |
(Coll. Date) |
(N) |
(L) mm |
(L/W) |
(H/W) |
(Teeth) |
(%) |
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± |
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(C) |
(L) |
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± |
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| 殻長 : (size) |
殻長は、最大26.2mm、最小13.6mm、平均18.9mm、標準偏差2.64であった。分布図を見ると他のタカラガイ種と同じく、数は少ないが大きな個体が分布の正規性を崩している。この平均値は、山口(1992)が石垣島各所で測定したハナビラダカラの平均殻長、15.19-18.17mmと比べやや大きい。しかし、山口は同報告の中で採集時期、棲息域などによる変化も指摘しており今回の結果もその範疇にあると言えよう。 また、本年2月に採集測定した和歌山・南部の貝に比較すると明らかに小さかった。 |
| 伸長度: (L/W) |
伸長度 最小1.24、 最大1.63、平均141、標準偏差0.063であった。 |
| 扁平度: (H/W) |
最小0.62、最大0.79、平均0.71、標準偏差0.030であった。 |
| 内唇歯: (columellar teeth) |
最少 10個、最多 14個、平均 11.3個であった。 |
| 外唇歯: (labral teeth) |
最少 9個、最多 14個、平均 12.0個であった。 |
あとがき
三浦半島、房総半島以外の場所での初めての生貝採集でした。サンゴ礁原であちこち探したのですが最初はタカラガイは全く見付かりませんでした。半分諦めて、牡蠣を採っている人の側に行き話をしている内に、キイロダカラが岩の上を這っているのを見付けました。おや、こんなところに、と思って辺りを探してみるとハナビラダカラがあちこちに居ます。やや離れたところにある小さなタイドプールの中でも、転石の下に面白いほど沢山くっついていました。
やはり貝は海の中なら何処でも良いと言うのではなく、何らかの選択が働いているという印象を受けました。