ハナビラダカラ(4)
八丈島・底土の打上貝

真野 進
(2002.07.16)

八丈島にダイビングの講習を受けに行った時、毎朝の散歩で拾った貝を測定した。

方法

結果及び考察

採集日
(Coll. Date)
個体数
(N)
殻高(L)mm 伸長度(L/W) 扁平度(H/W) 歯数(Teeth) Juvenile
(%)
Mean   SD Max Min Mean   SD Mean   SD 内唇(C) 外唇(L)
'02.6.21 104 20.9 ± 2.20 26.2 15.8 1.36 ± 0.062 0.70 ± 0.032 11.3 12.3 2

                     

殻長 :
(size)
殻長は、最大26.2mm、最小15.8mm、平均20.9mm、標準偏差2.20であった。分布図を見ると可成り正規性が高いことが分かる。
この平均値は、ハナビラダカラ(2)で報告した和歌山・南部の貝より僅かながら大きかった。
八丈島の緯度は33°07′と和歌山・南部の33°45′より南に位置しているが、黒潮の下流に在ることから複雑な様相を示している。
伸長度:
(L/W)
最小1.22、 最大1.58、平均136、標準偏差0.062であった。
この値は、石垣島のハナビラダカラより小さく、より辺縁が張り出していることを表している。
扁平度:
(H/W)
最小0.61、最大0.79、平均0.70、標準偏差0.031であった。
この値も、石垣島のハナビラダカラより小さく、より辺縁が張り出していることを表している。辺縁の張り出しは暖かい海ほど発達するのではないかと考えていたが、今回は案に相違した結果となった。
内唇歯:
(columellar teeth)
最少 9個、最多 14個、平均 11.3個であった。
外唇歯:
(labral teeth)
最少 10個、最多 15個、平均 12.3個であった。

あとがき

 八丈島には昔から一度行きたいと思っていたのですが、なかなか機会が無く延び延びとなっていました。今回、ダイビングの講習を八丈島の「レグルス ダイビング」で受けることを思い立って、やっと念願がかないました。
八丈島は、北緯33度線上に在って、和歌山・潮岬よりも南に位置する事と、黒潮が常にその周りを流れていることから、南方系の多彩な生物相を見ることが出来ます。講習中、「レグルス ダイビング」の皆さんから頂いたタカラガイも23種におよび、棲息確認数も53種とのことです。よく調べれば小笠原との共通点も見付けることが出来そうです。
そして、何より驚いたのが、ダイビング中、海底の砂溜まりに落ちている死殻がまるで生貝の様に美しいことでした。普通なら磨れてしまう殻が、八丈島では何故このように保存されているのか、その理由を探り出したいものです。