ハナビラダカラ(7)
宮古島の貝

真野 進
(2003.9.1)

宮古島では一カ所の海岸で必要数のサンプルを得ることが出来なかったので、数カ所の礁原で採取した貝を纏めて測定した。

方法

結果及び考察

p1p2写真1:通常の個体と小さい個体 小さい個体は死サンゴの枝の奥から採取された。

p3
p4写真2:未成貝と老成貝
p5写真3:両縁の一部に着色した個体
写真4:金色に変色した個体
広大な砂質の礁原で、大潮などでは可成り永い時間過酷な水温変化が推察される場所で採取された。
"A Guide To Worldwide Cowries"ではこのような個体を窒素や、洗剤による水質汚染の結果としているが、今回の採集地点ではそのような汚染は観察されなかった。

測定した結果

個体数
(N)

殻高(L)mm

伸長度(L/W)

扁平度(H/W)

歯数(Teeth)

young
(%)

Mean

±

SD

Max

Min

Mean

±

SD

Mean

±

SD

内唇(C)

外唇(L)
117

19.0

±

3.00

28.4

12.9

1.44

±

0.081

0.72

±

0.033

11.5

12.3

4

                      

殻長 :
(size)
殻長は、最大28.4mm、最小12.9mm、平均19.0mm、標準偏差3.00であった。今回のサンプルの分布図は17mm、19mm付近に二つのピークを持つ形となった。
平均値は、緯度的にも近い石垣島の個体群とほぼ同等であった。
伸長度:
(L/W)
伸長度 最小1.23、 最大1.63、平均1.44、標準偏差0.081であった。
扁平度:
(H/W)
最小0.65、最大0.87、平均0.72、標準偏差0.033であった。
歯数:
(teeth)
columellar teeth 最少 9個、最多 15個、平均 11.5個であった。
labral teeth    最少 10個、最多 14個、平均 12.3個であった。

あとがき

 今回の採取で興味深かったのは、死サンゴの狭い枝の間に小さな個体が観察されたことです。同じ海域の転石(サンゴの固まり)などではこのように小さな個体は見られなかったことから棲息場所によって大きさが左右されるのではないかと考えています。同じように狭い棲息場所に棲むメダカラも殻長が小さくなる現象が観察されており、タカラガイの殻長の地域変化要因を複雑にしているようです。