チャイロキヌタ(20)

三浦半島・黒崎の貝

真野 進
(2007.2.1.)

メダカラで打上殻と生殻の比較を行った所【メダカラ(16)メダカラ(18)】、生殻の方が大きいとの結果が出た。この原因は打上殻はその海域に生息しているメダカラがほぼ平均して採集できるのに対して、生貝採集では限られた生息域の貝しか採集できないことによると推察した。
そこで今回、ほぼ同一場所に生息するチャイロキヌタでも同じ傾向を示すかどうかを確かめた。

方法

結果及び考察

測定結果

個体数
(N)
殻高(L)mm
伸張度(L/W)
扁平度(H/W)
歯数(Teeth)
Mean
SD
Max
Min
Mean
SD
Mean
SD
内唇歯(C)
外唇歯(L)
100
15.2
1.64
19.6
11.2
1.67
0.052
0.81
0.015
16.5
17.6
1.サイズ(L)
size
 
最大19.6mm、最小11.2mm、平均15.2mm、標準偏差1.64であった。
同一海岸の死殻データと比較すると生殻の方が僅かではあるが大きく、この海岸のメダカラのデータと同じ傾向を示した。
2.伸長度(L/W) elongate 最大1.84、最小1.55、平均1.67、標準偏差0.052であった。
3.扁平度(H/W)
depressed
最大0.85、最小0.77、平均0.81、標準偏差0.015であった。

あとがき
 メダカラに比べ、生貝を見つけるのが難しいチャイロキヌタを100個体採集するのに、途中少しブランクがあったとはいえ5カ年を要してしまいました。
その間に、韓国・済州島でも生息が確認され、固有種とは言えなくなりましたが、その生息域は日本近海に限られており、その生活史、食性などの生態に付いては日本での研究が大いに待たれる所です。
ささやかれる、カミスジダカラとの分類上の問題などもミステリアスで面白いテーマかと思います。