前報のメダカラ(13)で、三戸黒崎の、2000年11月と2001年4月の比較、及び隣接する三戸-黒崎と三戸-小網代の浜での比較を行い、有意とは認められなかったが11月より4月の採集標本が小さいこと、隣接するこの二つの浜で平均殻長に有意差が見られ、この二つの場所の生息環境に違いがあることが考えられた。
今回は、チャイロキヌタで同様の測定を行い、このような比較が意味を持つのかどうかを検証する事とした。
方法
結果及び考察
測定結果
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(Location) |
(Coll. Date) |
(N) |
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(%) |
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| Mean | ± | SD | Max | Min | Mean | ± | SD | Mean | ± | SD | 内唇(C) | 外唇(L) | ||||
| 三戸-黒崎 | '00.11. | 100 | 14.4 | ± | 1.76 | 18.0 | 10.6 | 1.66 | ± | 0.051 | 0.81 | ± | 0.017 | 17.0 | 18.3 | 20 |
| 三戸-黒崎 | '01.04.-05 | 145 | 14.1 | ± | 1.63 | 19.1 | 10.5 | 1.66 | ± | 0.051 | 0.81 | ± | 0.019 | 16.0 | 16.8 | 6 |
| 三戸-小網代 | '01.04.-05 | 123 | 16.1 | ± | 1.74 | 20.6 | 12.5 | 1.68 | ± | 0.053 | 0.81 | ± | 0.018 | 16.5 | 17.5 | 1 |
| 1.殻長(L) size |
2000年11月と2001年4-5月の比較では、メダカラと同様、4-5月の方が平均で0.3mm小さかった。 また、黒崎側、小網代側の比較では、これもメダカラ同様、小網代側が大きかった。また、その平均値の差も2.0mmとメダカラの時よりも大きかった。 このように、メダカラ、チャイロキヌタと違う種で全く同じ傾向を示したことは、これらの違いがサンプリング誤差等によるものでなく、何か特定の原因をあることを強く示している。 |
| 分布図 | ![]() ![]() |
| 2.伸長度(W/L) elongate |
三戸-小網代の個体群でメダカラと同様、1.68とやや細長い(elongate)の傾向が見られた。 |
| 3.扁平度(H/W) depressed |
この値は、どの海岸でも同じ値を示している。(総合表) |
| 4.歯数 teeth |
メダカラでは、三戸-黒崎、三戸-小網代でほぼ同じ値を示したがチャイロキヌタでは異なった平均値を示した。さらに、2000年11月の測定とも異なることから歯数は遺伝的にはあまり固定化されていないか、発生の途中で何らかの因子によ影響を受けるものと思われる。 |
| 5.未成貝 junenile% |
未成貝と思われる個体の割合は、11月の測定では20%と高かったが、メダカラ同様、今回は、6%、1%と少なかった。この間、幼貝の供給はないと考えられることから、それだけ成熟が進んだか、冬の低水温期には未成貝の減耗が激しいかのどちらかと考えられる。 |
あとがき
季節的な打上貝の殻長変化は、継続的な観察が必要です。もし、今回見られた変化が起こっているとするとその原因は何なのでしょう。一つ考えられるのは、同種では大型の貝は水温低下に弱く冬の早い時期に死亡する率が高いと云うことです。もう一つは、もともと水温の低いところで生長した貝が大型化することから、冬の水温低下の影響を早く受けて死亡すると云うことが考えられます。何れにしても打上貝の死亡の原因が分かっていませんから、今の段階ではこのような現象があると云うことに止めるべきでしょう。
隣接する二つの浜の違いはメダカラの時も触れましたが、棲息場所の違いに因るものと推測しています。しかし、その違いがいかなるものかは生貝の生息状況観察が必要となります。今、棲息場所を探していますが隠れるのが上手でなかなか見付かりません。