ハナマルユキ(11)
和歌山県・串本の貝

真野 進
(2002.12.01.)

 和歌山県・串本周辺の磯で採集出来たので測定を行った。

方法

結果及び考察

 測定結果

個体
(N)

殻長(L)mm

伸長度(L/W)

扁平度(H/W)

歯数(Teeth)

Subadult
(%)

Mean

±

SD

Max

Min

Mean

±

SD

Mean

±

SD

内唇(C)

外唇(L)
97

32.4

±

2.14

37.2

25.9

1.41

±

0.052

0.69

±

0.029

15.1

16.2

0
1 サイズ殻長  
最大37.2mm、最小25.9mm、平均32.4mm、標準偏差2.14と今までのハナマルユキ測定中最大であった。
これはハナビラダカラでも同様で、2種類のタカラガイが大型になる遺伝子を偶然に持っているとは考え難く、串本付近の環境が影響しているものと思われる。キイロダカラで同様の調査が期待される。

2 最大、最小、卵形、細長い個体の写真 
三浦、房総の物と異なり、辺縁の張り出しが強い。

3 伸長度 
 最大1.62、最 小1.32、平均1.41、標準偏差0.052であった。
4 扁平度
 最大0.80、最小0.63、平均0.69、標準偏差0.029であった。
5 亜成貝 今回のサンプル中には亜成貝は見られなかった。

6 色彩模様の変異
  背の模様、色合い、腹面の色、歯間の着色の変異が大きい。


7 歯の数
 内唇歯 12ー17、平均15.1個。外唇歯 14ー19,平均16.2個であった

8 奇形個体
写真Aのように石灰藻、海藻等を巻き込んだ個体が多く見られた。Bの個体はネズミダカラに見られるような瘤が左後端付近に出た個体。これも、巻き込んだ物の上を成貝層で上塗りしたと思われる。

 

あとがき
 和歌山県・串本周辺のハナマルユキは、岸近くの岩礁に多く棲息していました。ハナビラダカラでも見られたことですがこの種でも石灰藻や海藻等を背に巻き込んだ個体が多く、極端に言えばそのような巻き込みがない個体を探す方が難しいぐらいでした。
 上でも書きましたが、ハナビラダカラと並んで此処の個体群は今まで測定した中で一番大きく、これには何らかの環境要因が有るものと思われます。しかし付近には、これらの藻食の種が主食にしているであろうと思われる海藻はそれほど多くは見られず、栄養的に優れた環境とも思えませんでした。