コモンダカラ(2)
三浦半島の打上貝

真野 進
(2001.10.01.)

コモンダカラは、英名を Gnawed Cowry と云うが、この "Gnawed" は「囓られた」という意味のようである。これは、この種に見られる腹面の斑紋が囓られた痕の様に見えるところからの命名かと思われる。今回は、前報と同じ三浦半島の各海岸の打上貝であるが、サンプル数を増やして、117個について計測した。

方法

結果及び考察

 測定結果

採集個体
 
コモンダカラの特徴である腹面の斑紋は、個体により、全くない物(115)、内唇側だけの物(113,116,9)、内唇、外唇両側に見られるもの(20)が有る。片側だけで外唇側に見られる物を探したが一個体も見付からなかった。
又、未成貝の写真にも示したが、若い貝ではこの斑紋が無く、成熟により現れるようにも思われた。他の種と同じだが、南方の標本に比べ、貝層の沈着は薄く、辺縁の張り出しも殆ど見られない。
写真
1.サイズ
(Size)
三浦半島のコモンダカラ殻高  最大40.0mm、最小19.6mm、平均29.3mm、標準偏差4.99であった。
右の分布図を見ると正規分布とはかけ離れておりサンプリングに問題がありそうである。

三浦半島の記録は、21.1-48.7mm。(いそっぴー 第60号)
2.伸長度 
(elongate)
最大1.81、最小1.49、平均1.66、標準偏差0.054であった。
3.扁平度
(depress)
最大0.84、最小0.73、平均0.78、標準偏差0.023であった。
4.歯の数
(teeth)
内唇歯数は、12-18個(平均14.9個)、外唇歯数は、14-21個(平均17.5個)であった。
5.未成貝
(juvenile)

未成貝は、117個中16個(14%)であった。




あとがき
 コモンダカラは、世界的に見ると一般的な種ですが、三浦半島ではやや珍しい貝に入ります。「いそっぴー第60号 2001年7月号」の記録によると、2000年1月-12月の長浜似打ち上がったタカラガイ30,922個の内、コモンダカラは100個(0.32%)でした。又、今年の夏海に入り生貝を探しましたが、コモンダカラは一匹も見付かりませんでした。棲息場所が潮間帯よりやや深い所に有るのかも知れません。