前報の柏崎のメダカラで、2月と3月、2回の採集群間に差が見られなかったことから採集による偏りは少ないものと考えられた。しかし、同一個体群でも季節、年などにより、平均殻長に変化が有ることも考えられるので昨年11月にメダカラ(2)で計測した三戸・黒崎の個体群に付き再度採集、測定した。また、ここと初音漁港を挟んで隣接した小網代側のメダカラも計測しその違いの有無を確認した。
| 方法 | ||
| 採集日(Coll. Date) | 2001年4月24日 | |
| 採集地(Location) | 三浦半島、三戸海岸の初音漁港を境に黒崎側と小網代側に分けて採集した。 | |
| 採集法 | 打上貝を拾う。(Beached) | |
| 測定法・測定項目 |
結果及び考察
測定結果
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(Location) |
(Coll. Date) |
(N) |
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(%) |
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| Mean | ± | SD | Max | Min | Mean | ± | SD | Mean | ± | SD | 内唇(C) | 外唇(L) | ||||
| 三戸黒崎 | '00.11.22. | 100 | 15.2 | ± | 2.15 | 21.1 | 10.4 | 1.66 | ± | 0.036 | 0.80 | ± | 0.015 | 13 | ||
| 三戸黒崎 | '01.04.24. | 154 | 14.8 | ± | 1.90 | 20.5 | 11.0 | 1.66 | ± | 0.045 | 0.80 | ± | 0.015 | 14.5 | 14.8 | 4 |
| 三戸小網代 | '01.04.24. | 112 | 15.9 | ± | 1.91 | 21.8 | 12.5 | 1.68 | ± | 0.046 | 0.80 | ± | 0.014 | 14.7 | 14.8 | 6 |
| 1.殻長(L) size |
三戸黒崎の、2000年11月と2001年4月の比較では平均値で0.4mmの差があったが、統計的には有意の差とは認められなかった。しかし、0.4mmもの差があったことは、同一海岸でも殻長に変化があることが推察される。 三戸黒崎と三戸小網代の間には、1.1mmも平均値に差が見られ、これは1%の危険率で有意の差と認められた。この二つの個体群での分布図は下の様でありそのパターンにも違いが見られることから、この二つの場所の生息環境に違いがあることが考えられる。 |
| 分布図 | ![]() ![]() |
| 2.伸長度(W/L) elongate |
三戸小網代の個体群で1.68とやや細長い(elongate)の傾向が見られた。 |
| 3.扁平度(H/W) depressed |
この値は、どの海岸でも同じ値を示している。(総合表) |
| 4.歯数 teeth |
この値は、環境に影響されず、遺伝的な特性を示すのではないかと考え測定しているが、三戸黒崎、三戸小網代でほぼ同じ値を示した。すなわち、殻長は生息環境により変化するが、歯数が同じと云うことは遺伝的には同一群と考えられる。 |
| 5.未成貝 junenile% |
未成貝と思われる個体の割合は、11月の測定では13%と高かったが、今回は、4%、6%と半分以下となった。この間、幼貝の供給はないと考えられることから、それだけ成熟が進んだか、冬の低水温で未成貝の減耗があったかのどちらかと考えられる。 |
あとがき
殻長に対する季節の影響は、少なくても1年くらいはデータを取らないと何とも言えないようです。ただ、季節による変化があるとすればそれは何によるのでしょうか。いったん形成された殻が変化することはないでしょうから幼貝、未成貝の割合が季節により変化することが考えられます。しかし、今回の結果だけから見ると未成貝が少なくなった4月の方が小さいという矛盾した結果となりました。
海岸毎の違いは主に環境の違いと思われますが、今回の二カ所の海岸はよく似た環境のように見えます。しかし、それは陸から見た表面的なもので実際にメダカラが棲んでいる場所では違いがあるのかも知れません。今後、これを解明するには生態観察が必要になります。