メダカラ(15)
房総・白浜 根本と坊田の比較

真野 進
(2001.06.15.)

三浦半島の隣接する三戸-黒崎と三戸-小網代の浜での比較を行い、有意とは認められなかったが11月より4-5月の採集標本が小さいこと、隣接するこの二つの浜で平均殻長に有意差が見られた[メダカラ(13)]。このように生息環境の似通った二つの場所の違いが何によって引き起こされるのか、又、三浦半島で見られた採集時期による平均殻長の変化が他の浜でも起こっているのかどうかを確かめるため、房総半島・白浜の根本と坊田の浜で分離、採集、測定した。
方法
採集日(Coll. Date) 2001年5月9日-25日
採集地(Location) 房総半島、白浜の根本と坊田の浜を分けて採集した。
採集法 打上貝を拾う。(Beached)
測定法・測定項目

結果及び考察

 測定結果

  根本
  坊田


     

産地
(Location)

採集日
(Coll. Date)

個体数
(N)

殻長(L)mm

伸長度(L/W)

扁平度(H/W)

歯数(Teeth)

Juvenile
(%)
Mean ± SD Max Min Mean ± SD Mean ± SD 内唇(C) 外唇(L)
房総・白浜 '01.02.16 188 17.9 ± 1.86 22.4 13.4 1.64 ± 0.051 0.81 ± 0.017 15.6 15.8 5
白浜−根本 '01.05.09-25 125 17.7 ± 2.12 22.2 13.6 1.64 ± 0.050 0.81 ± 0.019 15.7 15.9 1
白浜-坊田 '01.05.09 133 17.6 ± 1.99 23.2 13.3 1.62 ± 0.049 0.81 ± 0.016 15.6 15.7 2

1.殻長(L)
size
 
2001年2月のデータは、根本、坊田の浜で採集したサンプルを総合したものであり、今回のサンプルの方が小さくなる傾向を示した。季節的な変化については今後データの積み重ねが必要となる。
また、根本、坊田の比較では、三浦半島の三戸-黒崎、三戸-小網代の様な差は見られず、わずかに根本が大きかった。このことは、三浦半島の三戸-黒崎、三戸-小網代の特殊性を示しているのかも知れない。
分布図 房総・白浜-根本房総白浜・坊田
2.伸長度(W/L) 
elongate
坊田の個体群で、1.62と今までの測定の中で最も小さい値を示した。
チャイロキヌタでも同じ傾向だったことは興味深い。
3.扁平度(H/W)
depressed
この値は、どの海岸でも同じ値を示している。(総合表)
4.歯数
teeth
両海岸とも平均的な歯数であった。
5.未成貝
junenile%
未成貝と思われる個体の割合は、1ー2%と少なかった。これは、季節的な影響もあるが、白浜の特徴とも見られる。乃ち、白浜では生長が早いことが推測される。

あとがき
 今回の結果からも、打上貝のサイズが季節的に変化するのではないかと言う思いを強くしました。その理由は色々考えられますが、打ち上げられた貝が何時死んだのかが分からないのが問題です。季節変化を確定するためには、何年も繰り返し測定を続けるより他は無さそうです。チャイロキヌタとメダカラをずっと追いかけてみるのも面白そうです。但し、年によって黒潮の流れが変化するのでその影響も考慮に入れる必要があるでしょう。