メダカラ(23)

三浦半島・諸磯の生貝

真野 進
(2003.06.29.)

ここの浜では打上は多く見られるものの生貝がなかなか見付からず、その棲息域が他所とやや異なると考えいろいろと探してみた。結局、この磯では穿孔貝などによる岩の浸食が激しく、中に出来た空間に入り込んでいるものが多い事が判明し、そのようなところから多くのサンプルを得ることが出来たので測定を行った。
方法
採集日(Coll. Date) 生貝 2002年6月-2003年4月
採集地(Location) 三浦半島(Miura Pen. )、諸磯(Moroiso)
採集法 潮間帯にて生貝採取(Live collected)
測定法・測定項目

結果及び考察

 測定結果

 

個体数
(N)

殻高(L)mm

伸長度(L/W)

扁平度(H/W)

歯数(Teeth)

young shells
(%)
Mean ± SD Max Min Mean ± SD Mean ± SD 内唇(C) 外唇(L)
生貝

99

15.6

±

1.45

19.9

13.1

1.66

±

0.035

0.80

±

0.012

14.6

15.3

6
1.サイズ(L)
size
平均15.6mm、標準偏差1.45、最大19.9mm、最小13.1mmであった。
打上貝では、平均16.8mmであったので、今回の生貝は1.2mmも小さいこととなる。
これは、この磯での貝の棲息域が狭い岩の隙間であったことと関連があると思われた。
2.伸長度(W/L)
elongate
平均1.66、標準偏差0.035と平均的な値であった。
3.扁平度(H/W)
depressed
平均0.80、標準偏差0.012と平均的な値であった。
4.歯数
teeth
内唇歯(columellar teeth)平均14.6、外唇歯(labral teeth)平均15.3個であった。
5.若貝
young shells
若い貝の割合は6%であった。

あとがき
 上にも書きましたが、この磯で生貝を探し初めてから暫くは全くと言っていいほど見付かりませんでした。打上はあるのだから居ないはずはないとあちこち探したのですが、ごくたまに一、二匹見付かるだけという状態が続きました。ある時、イシマテガイを採っている人が居て、その後に行ってみると割られた石の間に、二匹、三匹と転がって居るではありませんか。
 他の磯では、転石の下、岩の割れ目が主な棲息場所ですが、ここでは脆くなり縦横に入った岩の中の空間に棲んで居たのです。勿論、ここでも他と同じ様な場所にもいるのでしょうが、今回の採集は主としてこのような所からでした。打上貝と生貝の比較では殆どの磯で生貝の方が大きいか、同じ位なのにここでは生貝の方が小さいのはこのような棲息場所と関係があるのかも知れません。