メダカラガイ(1)、(2)で三戸-黒崎で採集した貝の殻長、殻径、背高を測定し伸長度、扁平度につき考察したが、潮騒ガイドブック(2)によると三浦半島のメダカラは、相模湾側よりも東京湾口側の方が大型とのことなのでこの点を確かめるため調査した。
| 方法 | ||
| 採集日 | 2000年12月17日 くもり、小潮 | |
| 採集地 | 三浦市三浦海岸から金田港まで | |
| 採集法 | サンプリング誤差を極力避ける為、目に付いたメダカラ全てを拾い破損したもののみを除いた。 | |
| 測定法・測定項目 |
結果及び考察
| 1.サイズ |
殻長 最大23.8mm、最小13.5mm、平均18.9mm、標準偏差2.38で三戸海岸のものに較べ平均値で3.7mm大きかった。三戸海岸のメダカラが小さいのか、金田湾のメダカラが大きいのかは不明だがこの差は統計的にも有意であり食べ物、生息密度、水温などに原因があるものと考えられる。写真1に最大(No.1)と最小(No.133)個体を示す。 |
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写真1 |
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| 2.伸長度 | 最大1.78、最小1.48、平均1.65、標準偏差0.045で三戸・黒崎とほぼ同じ結果となった。写真2に 最大(No.143)と最小(No.21)個体を示す。 |
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写真2 |
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| 3.扁平度 | 最大0.85、最小0.76、平均0.80、標準偏差0.016で三戸・黒崎とほぼ同じ結果となった。写真3に 最大(No.40)と最小(No.22)個体を示す。 |
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写真3 |
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| 4.未成貝 | 今回も未成貝と思われる個体数をカウントしたが、196個中17個 8.7%と三戸と較べると少なかった。しかし、未成貝、若貝、成貝も区別が難しく、正確なものとは言えない。(写真4) メダカラの自然界での寿命は2年位、最大4、5年、水槽内で3年から5年(はらぐろきぬた)とのことであり、孵化後どの位で写真の段階に達するのか興味深い。 |
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写真4 |
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| 5.色 |
三戸のメダカラでも見られたが貝の色が茶系統のものと青黒系統のものがある。(写真5)この色の変化は連続的であり、数値データは取れないが金田湾のメダカラの方が茶系統が多い傾向があった。 また、サイズの大きいのも茶系統の貝に多かった。 メダカラの水槽内飼育では珪藻類を食べる(はらぐろきぬた)とのことなので自然界でも同じであるとするとこの色の違いは食べている珪藻の種類によるものではないかと思われる。珪藻類について全く知識がないので間違っているかも知れないが、水深により珪藻の種類が異なることが考えられる。 相模湾側の海岸は岩礁地帯が多く、比較的浅い所に棲息し、金田湾側の海岸は砂浜で棲息場所の岩根はやや沖目にあることからの推察である。 では、剣崎は? |
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写真5 |
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| 6.変異 | 今回の200個近いメダカラの中で、やや変わった個体があったので写真で示す。 歯の着色(写真6 No.191) うっすらとであるが、外唇歯が茶色に着色している。底面全体も黄茶色が濃い。 辺縁の着色(写真6 No.56) 外唇側の辺縁が錆色に染まっている。 |
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写真6 |
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あとがき
金田湾と、三戸海岸は距離にすれば幾らもない近いところですがメダカラの大きさの違いはびっくりするほどでした。では、三浦半島以外ではどうなのでしょうか。三浦半島相模湾側が特別小さいことも考えられます。
今後、あちこちと足を延ばしてみたいと考えています。
御前崎方面は、Nさんのレポートにもあるように有望な場所かと思っています。みなさん方の中で、ここが面白いよと言う場所があれば是非教えていただきたいと思います。
前回のメダカラのレポートを読んで、はらぐろきぬたさんが宝貝の食性、寿命について教えて下さいましたので引用させていただきました。厚く御礼申し上げます。