前報までに、金田湾のメダカラは三戸海岸のものより大型で在ることが観察された。潮騒ガイドブック(2)によれば、相模湾側よりも東京湾口側の方が大型とのことでありこれを裏付ける結果となったが、三浦半島の各海岸でどのようなサイズ分布になっているか、なぜサイズに違いがあるのかは不明である。
そこで、メダカラが数多く拾える主な海岸毎にサイズを調査する事とする。
今回は、長浜海岸の打上貝を調べた。
| 方法 | ||
| 採集日 | 2000年12月ー2001年1月 | |
| 採集地 | 三浦市長浜海岸 | |
| 採集法 | 打上貝の内比較的程度の良いものを拾う。 | |
| 測定法・測定項目 |
結果及び考察
| 1.サイズ |
殻高 最大20.6mm、最小11.1mm、平均15.5mm、標準偏差1.92で三戸海岸のものとほぼ同じ大きさであった。写真1に最大(No.3)と最小(No.18)個体を示す。 |
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写真1 |
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| 2.伸長度 | 最大1.78、最小1.52、平均1.65、標準偏差0.047で三戸と同じ結果となった。写真2に 最大(No.25)と最小(No.74)個体を示す。違いが分かり易いように同じサイズに修正した。 |
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写真2 |
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| 3.扁平度 | 最大0.85、最小0.77、平均0.80、標準偏差0.015で三戸と同じ結果となった。写真3に
最大(No.13)と最小(No.83)個体を示す。違いが分かり易いように同じサイズに修正した。 しかし、この程度の違いは、少しの向きの加減で分からなくなる。 |
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写真3 |
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| 4.未成貝 | 今回も未成貝と思われる個体数をカウントしたが、100個中11個 11%と三戸とほぼ同じだった。 |
| 5.変異 | 今回の100個のメダカラの中で、うっすらとであるが、外唇歯が茶色に着色している(写真5 No.45)個体があった。 |
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写真5 |
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あとがき
長浜海岸は、三戸海岸から葉山側の隣に在り、砂浜と、岩礁地帯の割合も似た地形です。そのせいか、今回の結果は三戸海岸と極めてよく似たものでした。サンプリングによる偏りを防ぐためになるべく万遍なく集めたつもりですが、こちらでは一回の採集で100個以上拾うことが出来ず、何回かに拾ったものを計測しました。そんなことも偏りを生じる危険性があると心配しています。
何回かの採集で感じたことですが、この海岸では比較的新鮮なメダカラを拾うことが出来るようです。海底の地形のせいでしょうか? 不思議です。
訂正 前報でメダカラという和名はどこにも使っていないと書きましたが、日本近海産貝類図鑑(奥谷喬司 編著)でgracilisを「メダカラ」としていました。