カモンダカラ(2)
三浦半島の打上貝

真野 進
(2001.11.01.)

カモンダカラは、コモンダカラ亜科に属し、アヤメダカラなどと近縁の美しい貝である。三浦半島でも打ち上げられるが、100個体を採集するのに一年を要した。「いそっぴー」にある長浜の記録では、全打上タカラガイ中の、0.3%前後と少ない。
 今回は前報に引き続き、三浦半島の打上カモンダカラ、103個体について計測した。

方法
採集日 2000年11月ー2001年10月
採集地 三浦半島の各海岸
採集法 打上貝
測定法・測定項目

結果及び考察

 測定結果

採集個体
 
カモンダカラは、潮間帯から水深20mの岩礁に棲む(日本近海産貝類図鑑)。写真に磨れの少ない個体を示したが、背景色の濃さと、白斑のコントラストが個体により変異がある。又、標本の鮮度に依るものとも思われるが、前後端の紫色にも個体による濃淡がある。
写真


1.サイズ
(Size)

カモンダカラ 三浦半島殻長  最大26.7mm、最小14.0mm、平均20.3mm、標準偏差2.54であった。
右の分布図を見ると、1年間と採集期間が長かったこともその一因かと思われる。

三浦半島のレコードサイズは15.1-28.9mmとなっており、今回の最小個体14.0mmは未成貝ながら最小記録となる。

(いそっぴー 第60号)

2.伸長度 
(elongate)
最大1.70、最小1.43、平均1.56、標準偏差0.051であった。
3.扁平度
(depress)
最大0.90、最小0.72、平均0.80、標準偏差0.026であった。
4.歯の数
(teeth)
内唇歯数は、12-18個(平均14.9個)、外唇歯数は、14-18個(平均16.1個)であった。
5.未成貝
(juvenile)
未成貝は、103個中29個(28%)であった。未成貝では、背の斑紋が出ていない個体が多いが、腹面が既に赤褐色に色付き始めており、他種との同定が容易である。pj
あとがき
 前報でも触れましたが、この貝はとても美しく、浜で見付けたときは嬉しいのですが個体の変異も少なく、分類上の問題提起もなくやや物足りなさを感じます。でも、生体となると見付けるのはなかなか難しく、今年の夏、1個体のみの採集でした。大潮の低潮位で、岩に着く海藻に隠れているのを偶然見付けたものです。その時は、波があたっていたせいか、外套膜を引っ込めていました(右)から見付かりましたが、外套膜で身を包んでいる状態(左)では見付けるのは難しいと感じました。
phl