ナシジダカラの新鮮な個体は、果物の梨の肌に似た美しい模様を持つが、打上貝はほとんどが磨れてもとの面影がない。しかし、房総では打上数が比較的多く、布良、白浜の海岸でよく拾うことが出来る。
今回は、本年2月から5月にかけて拾った106個体について測定した。
| 方法 | ||
| 採集日 | 2001年2月ー5月 | |
| 採集地 | 房総半島の各海岸 | |
| 採集法 | 打上貝 | |
| 測定法・測定項目 |
結果及び考察
| 採集個体 |
ナシジダカラは、比較的数多く打ち上がるが磨れたものが多く、その棲息域がメダカラ、チャイロキヌタなどと比べやや深いことが推測される。今回採集した中から比較的程度のよいものを10個体選んで写真を載せる。 しかし、かなり磨れたものでも、前、後端の茶斑と辺縁の茶の斑点、軸唇側前方の歯の形から同定は可能である。 |
| 写真 |
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| 1.サイズ (Size) |
殻高 最大25.4mm、最小15.8mm、平均20.1mm、標準偏差1.93であった。Lorenzの A Guide to Worldwide Cowries では、記録は8.1-31.0mmとなっている。 又、三浦半島では、14.6-26.8 mmの記録がある。(潮騒だより No.12 2001年) |
| 2.伸長度 (elongate) |
最大1.75、最小1.48、平均1.61、標準偏差0.053であった。 メダカラ、チャイロキヌタに比較し、やや丸い印象を受ける。 |
| 3.扁平度 (depress) |
最大0.85、最小0.75、平均0.80、標準偏差0.019であった。 この値は、タカラガイの基本的なもののようである。波の抵抗を少なくする基本形かも知れない。 |
| 4.歯の数 (teeth) |
内唇歯数は、13-21個(平均16.6個)、外唇歯数は、13-20個(平均16.2個)であった。 |
| 5.未成貝 (juvenile) |
未成貝は、106個中7個(7%)であった。未成貝2個体(No.51,86)を下に示す。![]() |
あとがき
海辺でタカラガイを探していて嬉しいのは、希少と云われる種類を初めて拾った時と、ピカピカ光る新鮮な殻を拾った時でしょう。その点、ナシジダカラは希少種でもないし、綺麗な殻も殆ど無く、かといってメダカラ、チャイロキヌタのように海岸別に比較が出来るほどは拾えない、やや中途半端の感じがします。
棲息域は、低潮線から水深20mくらいの岩礁域といわれています。何時か、生貝を見つけてみたいものと考えています。そうすれば、見方が変わるかも知れません。