ナシジダカラは、コモンダカラ属に属し、アカフナシジダカラ、ウミナシジダカラ等と近縁とされる。生態としては、オミナエシダカラ、ハツユキダカラ等と同じく低温に強く、三浦、房総半島にも打上貝が多く見られる。このことから生息数も多いと考えられるが生貝を見つけるのはなかなか難しい。コモンダカラの仲間は外套膜の突起が良く発達し、周りの環境によく似たカモフラージュをする為かと思われる。
今回は三浦半島の各海岸で拾った打上貝について計測した。
| 方法 | ||
| 採集日 | 2000年11月ー2001年8月 | |
| 採集地 | 三浦半島の各海岸 | |
| 採集法 | 打上貝 | |
| 測定法・測定項目 |
結果及び考察
| 採集個体 |
三浦半島でも磨れたものが多く、綺麗なものは少ない。今回の測定に用いた標本の中から比較的磨れの少ないものを載せる。No.11は今回の最小の個体。 |
| 写真 |
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| 1.サイズ (Size) |
房総半島産と比較するとやや小さいが、左の分布図で見るとおり正規分布とは言い難く、海岸による変異が大きいことが推察される。 |
| 2.伸長度 (elongate) |
最大1.76、最小1.50、平均1.65、標準偏差0.049であった。 |
| 3.扁平度 (depress) |
最大0.89、最小0.74、平均0.81、標準偏差0.020であった。 この値は、タカラガイの基本的なもののようである。波の抵抗を少なくする基本形かも知れない。 |
| 4.歯の数 (teeth) |
内唇歯数は、12-19個(平均16.0個)、外唇歯数は、12-19個(平均15.8個)であった。 |
| 5.未成貝 (juvenile) |
未成貝は、100個中14個(14%)であった。 未成貝の割合が多いと言うことは一般的に、1. 若い貝の加入が盛ん、2. 環境に適合しておらず成熟出来ない、のどちらかかと思われる。この貝の場合、後者の可能性が高い。また、房総半島とのデータの違いも注意しなくてはならない。 |
あとがき
前報でも触れましたがナシジダカラは、打上殻の数の割に生貝が見付かりません。棲息場所がメダカラ等とは違うのかも知れませんが不思議なことです。
今回、三浦半島のタカラガイの大きさのデータとして渡辺 政美さんの「いそっぴー 60号」を参照させていただきました。渡辺さんは三浦半島長浜の海岸で、一年、365日近く採集され、種別データ、水温などを記録、私版の「いそっぴー」で発表されています。これらの研究は、三浦半島のナチュラルヒストリーとして貴重であり、私の良き目標でもあります。