ナシジダカラ(3)
八丈島の貝

真野 進
(2003.08.01.)

八丈島では、ナシジダカラはアヤメダカラに次いで多く見られる。しかも、一見して小さく、色合いも様々である。この色合いは死後時間とともに変化するのかも知れない。昨年から拾い集めた殻が100個を越えたので測定した。
方法
採集日 2002年8月ー2003年7月
採集地 八丈島
採集法 死殻と生殻
測定法・測定項目

結果及び考察

個体数
(N)

殻高(L)mm

伸長度(L/W)

扁平度(H/W)

歯数(Teeth)

亜成貝
(%)

Mean
±

SD

Max

Min

Mean
±

SD

Mean
±

SD

内唇(C)

外唇(L)
109

15.6
±

2.05

21.2

10.6

1.68
±

0.062

0.80
±

0.018

16.1

15.3

5
採集個体
 
左は亜成貝、その右は極端に肥厚した老成貝。
歯が茶色に染まる個体と、染まらない個体が見られる。
写真 pd
pb
1.サイズ
(Size)
殻高  最大21.2mm、最小10.6mm、平均15.6mm、標準偏差2.05であった。
この値は三浦半島、房総半島の個体群と比較すると明らかに小さく、遺伝又は棲息環境の違いがあると推察される。
2.伸長度 
(elongate)
最大1.83、最小1.49、平均1.68、標準偏差0.062であった。
3.扁平度
(depress)
最大0.84、最小0.75、平均0.80、標準偏差0.018であった。
4.歯の数
(teeth)
内唇歯数は、20-13個(平均16.1個)、外唇歯数は、18-12個(平均15.3個)であった。
5.亜成貝
(sub adult)
亜成貝は、109個中5個(5%)であった。この値も三浦半島(14%)、房総半島(7%)と比べ少なく、ここの環境がナシジダカラにとって適合していることが伺われる。

あとがき
 ナシジダカラは打上では良く拾うのですが、潮間帯では滅多に観察されず、その棲息域はやや深いところにあるのではと思っていました。八丈島で、ダイビングを始めてから注意していますが、いまだに自分では見付けられないで居ます。転石の下などに隠れているというのですが・・・。