リュウキュウダカラ(2)
宮古島の貝

真野 進
(2005.08.14.)

同島で昨年リュウキュウダカラの打上殻を拾い、その生息を確認したが生体を得たのは一個体のみであった。本年再度採集を試みた所、多数の生息を確認し、成貝、幼貝を採集できたので報告する

採集方法

 

 

採集地

沖縄県・平良市 (宮古島)

採集法

生貝、潮間帯

サイズ測定

個体数
(N)

殻高(L)mm

伸長度(L/W)

扁平度(H/W)

歯数(Teeth)

Mean

±

SD

Max

Min

Mean

±

SD

Mean

±

SD

内唇(C)

外唇(L)

41

17.9

±

1.62

21.2

15.1

1.73

±

0.058

0.80

±

0.021

17.9

18.2

殻長 :
(size)

殻長は、最大21.2mm、最小15.1mm、平均17.9mm、標準偏差1.62であった。

伸長度:
(L/W)

伸長度 最小1.63、 最大1.88、平均1.73、標準偏差0.058であった。

扁平度:
(H/W)

最小0.76、最大0.85、平均0.80、標準偏差0.021であった。他の種に比べバラツキが大きい。

内唇歯:
(columellar teeth)

最少 16個、最多 20個、平均 17.9個であった。

外唇歯:
(labral teeth)

最少 16個、最多 21個、平均 18.2個であった。

生体写真

下の写真のように外套膜の色、樹状突起の色に二種があり、同一の珊瑚礫に着いていることもある。タカラガイの分類では従来、外套膜の形状の違いで亜種とされる場合も有るが、これを見ると外套膜のわずかな違いで分類することが正しいのか疑問となる。

暗灰色の外套膜。このタイプの個体が多い。

黒い外套膜。このタイプは数が少ない。

潮間帯の珊瑚礫裏に、多い時は4-5個体一緒に付いている。

殻の個体変異

サイズは、A 20.8mm、B 20.6mm、C 21.1mm、D 16.5mm、D 17.4mm、E 19.0nn
背面の色は変化に富み、特にCとEの個体は他と大分異なる。腹面の色は全て飴色で、白色の固体は見られなかった。
 この種の特徴とされる殻頂の染みは安定的に現れるようだが、若い個体ではまだ現れていない。Cの個体のように成熟しているのに不明瞭なものもある。
幼貝横斑は、Eの個体を除きはっきりと見ることが出来る。しかし、マメシボリダカラ(palidulla)の断続した横斑とは明らかに異なる。




幼貝、未成貝

マメシボリダカラ(C.pallidula)との相違点の一つとしてリュウキュウダカラには背の横斑が無いことが揚げられているが、若い貝では明瞭な横斑が見られる。
サイズ、左から、8.4mm、16.3mm、17.0mm

あとがき
 この種は、チャイロキヌタが韓国・済州島で生息が確認された後、唯一の我が国の固有種とされています。しかし、生息域、生態、殻の特徴などに関する文献は少なく、「沖縄の海の貝・陸の貝 久保・黒住 1995年」にC.pallidula(ウスムラサキダカラ)として紹介され、外套膜が黒色のものをリュウキュウダカラというとされているのが最も詳しい記載の様です。
 他の生息域ではどんな状況か是非調べてみたいものです。