ハツユキダカラは、房総半島以南、インド・西太平洋に分布し潮間帯下部ー30mに棲息する。(コレクション大図鑑 菱田)。原色日本貝類図鑑では、inocellata (GRAY)とあるが現在ではこれは異名とされ、miliaris (Gmelin 1791)として分類されている。
三浦半島でも普通に見られるが、棲息深度によりその色合いが異なるとされている(潮騒ガイドブック 2)。
今回は、 三浦半島で拾った打上貝について調べた。
| 方法 | ||
| 採集地 | 三浦半島。一カ所で多く拾うことは出来ないので幾つかの海岸のものを集めた。 | |
| 採集法 | 採集した打ち上げ貝23個の内から比較的状態の良い10個を選択。 | |
| 測定法・測定項目 |
結果及び考察
今回のサンプル個体の背面(写真1)、腹面(写真2)を示す
| 写真1 |
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| 黄緑褐色の地に白点を散らした模様で比較的浅いところに棲息していたものと推測される。 外套膜の合わせ目である背線が、可成り右側に偏っているのもこの貝の特徴となるかも知れない。前端部は薄茶に染まる。縁の張出は見られないが、成熟に従い縁痕(marginal pitting)が形成される。 |
| 写真2 |
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| 腹面は白いが両端近くで僅かに黄色を帯びるものもある。殻口は広く前方に向かって広がっている。 |
これら貝の大きさ等について測定した結果を下表に示す。
| No | 殻高 mm | 殻径 mm | 背高 mm | 伸長度 | 扁平度 | 内唇 歯数 | 外唇 歯数 | 未成貝 |
| 28 | 28.2 | 17.5 | 14.2 | 1.61 | 0.81 | 15 | 17 | |
| 18 | 29.1 | 18.9 | 14.5 | 1.54 | 0.77 | 14 | 15 | |
| 19 | 29.3 | 18.9 | 15.3 | 1.55 | 0.81 | 14 | 17 | |
| 21 | 33.8 | 22.3 | 18.3 | 1.52 | 0.82 | 14 | 16 | ○ |
| 16 | 37.9 | 22.9 | 18.9 | 1.66 | 0.83 | 12 | 18 | |
| 1 | 38.1 | 23.0 | 18.5 | 1.66 | 0.80 | 18 | 19 | |
| 12 | 38.1 | 23.3 | 18.9 | 1.64 | 0.81 | 14 | 18 | ○ |
| 14 | 38.3 | 25.1 | 19.9 | 1.53 | 0.79 | 16 | 14 | ○ |
| 13 | 38.4 | 22.7 | 18.5 | 1.69 | 0.81 | 16 | 19 | |
| 15 | 38.7 | 23.4 | 18.4 | 1.65 | 0.79 | 13 | 17 | |
| 平均値 | 35.0 | 21.8 | 17.5 | 1.61 | 0.80 | 14.6 | 17.0 | |
| 標準偏差 | 4.46 | 2.47 | 2.05 | 0.064 | 0.017 | 1.71 | 1.63 | |
| MAX | 38.7 | 25.1 | 19.9 | 1.69 | 0.83 | 18 | 19 | |
| MIN | 28.2 | 17.5 | 14.2 | 1.52 | 0.77 | 12 | 14 |
| 殻高 : | 殻高 最小28.2mm、最大38.7mm、平均35.0mm、標準偏差4.46 で、三浦半島での記録29-47mm (潮騒ガイドブック 2)より僅かに小さい個体があった。また、"A Guide To Worldwide Cowries" のSize Rangeは17-56mmとなっている。 |
| 伸長度: (elongate) |
伸長度 最小1.52、 最大1.69、平均1.61、標準偏差0.064で、カモンダカラに較べればややや細長い(elongate)。 |
| 扁平度: (depressed) |
最小0.77、最大0.83、平均0.80、標準偏差0.017であった。 |
| 内唇歯: | 最少 12個、最多 18個、平均 14.6個であった。 |
| 外唇歯: | 最少 14個、最多 19個、平均 17.0個であった。 |
あとがき
ハツユキダカラは、コモンダカラに属し模様が美しいのですが、色合いが単調なのでラマルクダカラなどと較べるとやや見劣りがします。しかし、三浦半島で普通に見られるタカラガイの中では大型で、浜を歩いていて見つけると何か得したような気持ちになります。
どこの浜でも多かれ少なかれ見つかりますが、他のタカラガイと較べると岩礁地帯でなく、やや砂混じりの浜で多い様な気がします。色合いの異なる個体(棲息深度の違い)も採集したいものです。