ハツユキダカラ(2)
三浦半島の打上貝

真野 進
(2001.10.16.)

ハツユキダカラは、コモンダカラ亜科に属し、ラマルクダカラなどと近縁の美しい貝である。三浦半島でも可成り頻繁に打ち上げられるが、100個体を採集するのに約一年を要した。いそっぴーにある長浜の記録では、全打上タカラガイ中の、1%前後とのことである。
 今回は前報に引き続き、三浦半島の打上ハツユキダカラを105個体計測した。

方法
採集日 2000年11月ー2001年9月
採集地 三浦半島の各海岸
採集法 打上貝
測定法・測定項目

結果及び考察

 測定結果

採集個体
 
ハツユキダカラは、潮間帯から水深150mの岩礁に棲み(日本近海産貝類図鑑)、磯に棲息するものは黄緑褐色、水深10m位の個体は青緑色、20m位深では淡黄緑色をしている(潮騒ガイドブック)。写真に磨れの少ない個体を示したが、色の変異は認められるものの棲息深度までの推測分類は出来なかった。
写真
1.サイズ
(Size)

ハツユキダカラ(三浦)殻長  最大43.4mm、最小25.4mm、平均35.1mm、標準偏差3.80であった。
右の分布図を見ると、平均値付近で低くなっており正規性が疑われる。コモンダカラでも同様なことが起こっており、1年間と採集期間が長かったこともその一因かと思われる。

三浦半島の記録サイズは、10.9-48.8mm。

(いそっぴー 第60号)

2.伸長度 
(elongate)
最大1.77、最小1.47、平均1.61、標準偏差0.060であった。
3.扁平度
(depress)
最大0.85、最小0.73、平均0.80、標準偏差0.024であった。
4.歯の数
(teeth)
内唇歯数は、11-18個(平均14.6個)、外唇歯数は、14-21個(平均17.0個)であった。
5.未成貝
(juvenile)
未成貝は、105個中21個(20%)であった。

あとがき
 冬季、ハツユキダカラの生貝が打ち上がることもあり、オミナエシダカラなどと同じ様な場所に生息するのかと思っていましたが、今年の夏は一匹も採集することが出来ませんでした。夏、蛸壺などで採れることがあるようですので、ひょっとすると季節によって棲息深度を変えているのかも知れません。
 低温に強い種と考えられており、三浦の海でも繁殖をしていることは間違いなさそうです。