キイロダカラ(5)
宮古島の貝

真野 進
(2003.09.15.)

ハナビラダカラに引き続き、宮古島のキイロダカラの測定を行ったので報告する。

方法
採集日(Coll. Date) 2003年5月
採集地(Location) 宮古島 (平間、狩俣、久松、ムイガー、東平安名崎)
採集法(Materials) 潮間帯で採集した生貝
測定法・測定項目

結果及び考察

 測定結果 

<" WIDTH="649" BORDER="1" CELLPADDING="0" style="border-collapse: CELLSPACING="0>
個体数
(N)

殻高(L)mm

伸長度(L/W)

扁平度(H/W)

歯数(Teeth)

Juvenile
(%)

Mean
±

SD

Max

Min

Mean
±

SD

Mean
±

SD

内唇(C)

外唇(L)
133

22.8
±

3.17

31.0

16.2

1.42
±

0.107

0.69
±

0.047

12.6

12.6

2
1.サイズ(L)
size
 
最大31.0mm、最小16.2mm、平均22.8mm、標準偏差3.17であった。
平均値は、今まで測定してきた中で最大であった。
左の分布図を見るとハナビラダカラ同様二つのピークを持つ。これは複数の採集地点で採集し、個体数もバラバラであったことに依るものと思われる。
2.伸長度(L/W) 
elongate
最大1.69、最小1.18、平均1.42、標準偏差0.107であった。
この値も貝の生育環境に大きく影響されることが推察された。
3.扁平度(H/W)
depressed
最大0.82、最小0.57、平均0.69、標準偏差0.047であった。前報でキイロダカラのように老成により成貝層の沈着が著しい種では、伸長度(L/W)、扁平度(H/W)の値が大きいのは成熟が進んでいない証拠としたが必ずしもそうはいえないことが分かった。
4.歯数
teeth
内唇歯10ー16、平均12.6、外唇歯10ー16、平均12.6個であった。
5.若貝
young%
明らかに未成熟の若い貝は2%と低い割合を示した。
6.アマモ場の貝 砂質の底でアマモが生育している浜で採集した貝。左3個は久松、右3個は平間。写真は特に黄色の強い個体を選んだが、全体的にも黄色が強い。又、形もほっそりして、フシダカ型はない。
pyellow
7.礁原の貝 こちらはサンゴ礁の岩場で採集した貝。左2個はムイガー、中2個は狩俣、右2個は東平安名崎。こちらは黄色が薄く、形はフシダカ型が多い。
piwa

あとがき
 今回の採集で驚いたのは砂質のアマモ場にキイロダカラが棲息していたことです。今までのタカラガイの採集では専ら岩礁地帯でしたから、潮の引いたアマモ場の砂の上を這っているキイロダカラを見付けたときは我が目を疑いました。それに加えて、濃い黄色の個体が多く、これぞキイロダカラと感心してしまいました。
このような場所の個体は老成しても極端なフシダカ型になるものはなく、どちらかというとほっそりとした印象です。それに反して岩礁地帯で採集した個体は、色は白っぽい草色でゴツゴツとしたフシダカタイプが多いようです。
こうしてみると、当たり前のことかも知れませんが貝の形は加齢とともに一定方向の形状変化が起こるというものでなく、生育環境に強く影響されていることが推察されました。