今年4月に、タヒチ・ボラボラ島に行く機会があり、ビャクレンダカラを多数採集出来たので測定を行った。この種は分類上ハナビラダカラとは別種とされているが、殻の形態の違い以外は極似しており今回その集団内の変異を含めて比較を行った。
| 方法 | 採集日 | 2004年4月 |
| 採集地 | タヒチ | |
| 採集法 | 潮間帯で生貝採集 | |
| 測定法・測定項目 |
結果及び考察
写真1:左ボラボラのラグーン。右ビャクレンダカラの生体
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| 写真2:左ビャクレンダカラ、右ハナビラダカラ。 この2種には軟体部に違いが有ると言われるが、外観では判断がつかない。
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写真3:gold ring cowryの名に相応しい個体。歯も普通のハナビラダカラに比べ良く発達している。
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| 写真4:リングが薄く、ツアモツの白ビャクレンダカラに似た個体。
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| 写真5:辺縁の肥厚が余り見られない個体。細長い形状をしている。これも、リングの濃い物、薄い物がある。
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| 写真6:若い貝。歯は発達しているが、背の模様はまだ。
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測定した結果
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個体数
(N) |
殻高(L)mm
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伸長度(L/W)
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扁平度(H/W)
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歯数(Teeth)
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young
(%) |
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Mean±SD
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Max
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Min
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Mean±SD
|
Mean±SD
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内唇(C)
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外唇(L)
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166
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16.3±2.17
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23.6
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11.1
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1.43±0.080
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0.68±0.031
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10.2
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11.0
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4
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| 殻長 : (size) |
殻長は、最大23.6mm、最小11.1mm、平均16.3mm、標準偏差2.17であった。 |
| 伸長度: (L/W) |
伸長度 最小1.26、 最大1.61、平均1.43、標準偏差0.080であった。 |
| 扁平度: (H/W) |
最小0.62、最大0.77、平均0.68、標準偏差0.031であった。 |
| 歯数: (teeth) |
columellar teeth 最少 8個、最多 12個、平均 10.2個であった。 labral teeth 最少 9個、最多 13個、平均 11.0個であった。 |
あとがき
今回、ビャクレンダカラを数多く見て、改めて種とは何だろうかと考えさせられました。個体群の大半が独特の形状をしており、明らかに遺伝的な変異であることは伺えますが、遺伝子の変異が形態的変異を必ず伴うかどうか。つまり、遺伝子の変異が大きくても形態的な変異を伴わない場合は独立種としては認められず、逆に遺伝子の変異はさほどでなくても形態変異が有る場合は独立種とされている場合も有るのではないかと思われたのです。先に報告したボラボラのキイロダカラはこのような形態的特異性が無いために原種とされていますが、遺伝子的には分化が進んだ段階に有る可能性も有るわけです。もう一つは、同一集団内でも変異が大きいのは、タカラガイ科の分化の歴史が浅く、遺伝子の固定化が進んでいないためと解釈されるのではないでしょうか。最近盛んに研究されているDNAの分析でもこのような例が見つかっていると聞きますが、今後、軟体動物の分類学がどのような方向にいくのか興味が有るところです。